おしゃれ用カラーコンタクトの安全性に関するコメント
- Contact Films の企画者として –
平成18年2月4日付けの朝刊各紙は、「青や茶色に目の色を変えるおしゃれ用カラーコンタクトレンズの中に、かゆみや視力低下を起こしかねない製品があることが3日、国民生活センターの商品テストで分かった」と報じました。(記者会見資料はこちら)
国民生活センターの本件ページはこちらですが、 私もおしゃれ用カラーコンタクトに関わっておりますので、その内容につきまして若干のコメントをさせていただきたいとおもいます。
「消費者へのアドバイス」へのコメント
● 視力補正を目的としたコンタクトレンズは、比較的リスクの高い医療機器である。視力補正以外の目的では安易に使用しないほうがよい
私のコメント: 同感です。視力補正を目的としたコンタクトレンズは薬事法で高度管理医療機器と定められており、その使用目的は厳しく規制されています。消費者は視力補正以外の目的で安易にコンタクトレンズを使用しないほうがよいのは当然ですし、それ以前に、おしゃれ目的で販売すること自体が薬事法違反なのです。
● おしゃれ用カラーレンズは医療機器ではない。細胞毒性や色素の溶出が認められるなど、安全性や品質に問題のあるものがみられたので十分気をつけよう
私のコメント: 細胞毒性が認められたのは消毒液に漬した状態でパッケージされているからだとおもいます。コンタクトレンズは目に直接触れるものですから消毒液ではなく生理食塩水のような無害の液体に漬して出荷すべきものです。しかし無害の生理食塩水だとパッキング作業中に細菌が混入すれば流通中に繁殖して身体に悪影響を及ぼすでしょう。生理食塩水に密封して、パッケージごと滅菌するべきなのです。そうすれば細胞毒性の問題は解決します。
色素の溶出に関しては、おしゃれ用のカラーコンタクトは視力補正用のカラーコンタクトレンズに比べて色目がくっきりしていますので、使用する色素量が多くなります。今回試験のように、ある一定の条件のもとでは溶出しないことは確認すべきなのは言うまでもないことですが、使用色素が多ければ溶出しやすいのは仕方ないわけで、視力補正用のカラーコンタクトレンズでも長期間装用を続ければ溶出する可能性は大いにあります。溶出試験ではチタンとアルミニウムが検出されたということですが、すべてのカラーコンタクトは色素が溶出する可能性があるのですから、溶出しても身体に危害を及ぼさない安全な材料で染色すべきだとおもいます。そもそも、長期装用を前提とする視力補正用レンズをカラーにする必要があるのでしょうか。医療機器としての本来の目的から逸脱しているのではないかと考えます。カラーコンタクトは承認の有無に関わらず短時間使用を心掛けるべきでしょう。
ところで、「医療機器の承認を受けていないおしゃれ用カラーレンズは国内では安全性が保証されていないので」というくだりは少し誤解をまねく表現ではないかとおもいます。この表現だと、医療機器の承認を受けている視力補正用のカラーレンズは国内では安全性が保証されているように受けとられかねません。医療機器承認と安全性の保証とは関係ないのです。承認を受けた医療機器や医薬品が起こした事故や副作用は過去にたくさんありますし、現実に承認を受けた視力補正用のカラーレンズでの障害が本記者説明会資料でも示されているわけです。
● おしゃれ用カラーレンズ装用により視力、夜間視力、動体視力が大幅に低下する場合があり、これらを装用して夜間に車等を運転することは危険である
私のコメント: まさにその通りです。カラーコンタクトの着色部位は周辺のみで中央部は無色透明ですが、まばたきによって着色部位は動いていますので視野は狭くなることも大いに考えられます。車の運転にカラーコンタクトは必要ありません。夜間にサングラスをかけて運転すると危険であるのは誰でも理解できます。運転中は、カラーコンタクトは外すべきです。さらにいえば、運転中でなくても必要ないときには外すべきです。おしゃれ用なのですからデートとかパーティとか特別なときにのみ使用して、普段の学校や仕事中には外すべきものだとおもいます。
「業界への要望」へのコメント
● おしゃれ用カラーレンズで安全性に問題があるものがあった。商品の水準が一定以上となるよう要望する
私のコメント: 医療機器承認の有無にかかわらず、カラーコンタクトは製造物責任法の対象です。製造元が国外であっても輸入業者は製造物責任法から逃れることはできません。単に外国で売られているものをそのまま国内に持ち込んで販売するのではなく、現地製造所の品質確保状況が国内業者、あるいは承認製品製造業者のそれと遜色ないことを確認すべきだとおもいます。
● 医療機器のカラーレンズは視力補正が目的であるので、それ以外の目的で表示、販売することがないよう要望する
私のコメント: そもそも、医療機器であるカラーレンズをおしゃれ目的で広告したり、販売することは薬事法違反です。当然そのようなことがあってはなりません。
「行政への要望」へのコメント
● おしゃれ用カラーレンズで、安全、品質上問題があるものがあったので、ガイドラインの策定等、早急に具体的な対応をするよう要望する。また、視力補正を目的とした医療機器についてはそれ以外の目的で表示、販売することがないよう指導を要望する
私のコメント: 現時点では薬事法の規制外ですから拘束力のあるガイドラインの策定には時間がかかるとおもいます。策定されるまでは、今回の国民生活センターが行なった試験をクリアした製品のみを販売するように販売業者は自主規制すべきだと考えます。また、マスコミ及び関係各位には消費者への啓蒙と販売業者の自覚を促す世論構築に努めていただきたいとおもいます。
捕捉: 今回の商品テストの実施および各界への要望がだされたということは、裏を返せば、おしゃれ用カラーコンタクトの需要そして消費が急速に増えているということです。そして販売業者の自覚と消費者の知識が普及に追いついていないといえます。
これは10数年前のピアッシング(ピアス開孔)の状況ととてもよく似ています。外国で販売されているものを風習の異なる日本に持ち込んでトラブルが多発していた状況とそっくりなのです。
当時私は日本人に合ったコンセプトで製品造りを行ない、ピアスの安全性に貢献できたと自負しております。今回おしゃれ用コンタクトでは、私は現地法人をつくって日本人向けに製品を企画しました。
私どもの製品は生理食塩水に漬して封印したプラスチック容器をガンマ滅菌していますので細胞毒性はゼロですし、着色色素を含めた原材料はすべて米国および韓国の食品医薬品局(日本の厚生労働省に該当)が承認したものを使用し、できあがった製品は試験で溶出しないことを確認しています。
今後も、製造から包装まで国内製造者と同等の品質確保に努めたいと考えております。
2006年2月4日
渋谷高橋医院院長 高橋知之(文責)
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tomoyuki@takahashi.md